横浜市立折本小学校創立35周年記念誌「わたしたちのまち」

第20話 変わっていく折本・大熊・川向

 バスがこの町に近づいてくると、緑が車の窓から沢山見られるようになり、乗っている人達の気持ちをほっとさせます。田畑の上をわたってくる風も、とてもさわやかです。


 この頃、緑が少なくなり、空気が汚れたり、川の水が濁ったりして、みんなが心配していますが、私達の町は、まだ緑も多く、空気も川もそれほど汚れていません。とても幸せなことです。この素晴らしい自然をいつまでもこのままにしておきたいものですね。それには、町の人がみんなで力を合わせ、林や田畑や家の周りの木を大切にしたり、いろいろな工夫をして、空気や水を綺麗にしたりするよう、心がけなければなりません。


 私達の町にまだ緑が多いのは、農家が多い事にもよります。みなさんも学校の行き帰りに、田畑やビニルハウスで働いている人を見かけることがあるでしょう。折本・大熊に農家が多いのは、横浜市からだんだん無くなっていく田畑や林を残しておき、横浜市全体の生活のための仕事が釣り合うようにしているからです。これからも、この町でとれる野菜・花・植木などは、横浜の人達の生活にとって大切なものとなるでしょう。

 しかし、大熊町のバス通り近くには、大きなマンションやアパート、工場が、たくさん建つようになりました。そして、スーパーやお店も増えて、新しい街づくりが進んでいます。これからも、もっと家やお店ができて、賑やかな町になり、暮らしが便利になると思いますが、住みよい、楽しい町にするために、町の人達がみんなで考え、話し合い、力を合わせて頑張らなくてはならないことも沢山あります。

 
 家が多くなり、人の行き来が激しくなると、車や人が安全に通れるようにしなければなりません。大熊町のバス通りなどは、狭いので広くしたり、よい舗装道路にしたりするとよいと思います。また、第三京浜道路や新横浜元石川線などの道路は、車の数が多すぎてとても危ないので、気をつけなくてはなりませんし、交通事故を無くす工夫が大切です。東京や横浜市内などへ出かけるには便利になりましたが、みんなが安心して通れるようにするにはどうしたらよいか、よい道路にするにはどうしたらよいか、みんなで考えてみましょう。また、港北ニュータウンが出来上がると、そこにつながる道路についても考えることが大切です。
新しい町港北ニュータウン/昭和60年(35周年記念誌より)

 

 道路が良くなってくると、工場や倉庫に出入りする車が多くなり、工場などで働く人たちも、余所から沢山通ってきます。そして町がとても賑やかになります。この頃、私達の町にも新しい工場や倉庫、会社が建つようになりました。鶴見川の近くには、田畑が工場や倉庫に変わった様子が見られますが、これからも工場や会社が増える事でしょう。私達の町に工場や会社が沢山出来る事は、新しい町が栄えていくためには良い事です。しかし、空気の汚れを無くし、やかましい音などがしないように工夫しなければなりません。

 

 折本小学校の校舎の窓から、港北ニュータウンの様子が見えます。私達の町と違った様子の町が隣に出来て、私達の暮らしも楽しく、便利になってきました。港北ニュータウンは、横浜市がとても力を入れて進めている新しい街づくりです。この町には、日本中から沢山の人々が移り住んできます。隣に暮らす私達は、この町の人達とも仲良くし、港北ニュータウンと私達の町がますます栄えていくように、力を合わせていきましょう。

 私達の町のあるところは、横浜市の北の方にあたり、港や中心街からは離れていますが、この頃は、緑区・港北区が大変賑やかになり、違った横浜の姿として見直されています。学校や公園も増えて交通も便利になり、賑やかな町も多くなっています。こうしたところにある折本・大熊・川向の町が、これからどのように栄えていったらよいか、横浜市全体の中での関わり合いや役割について、一人一人がしっかり考え、未来に輝く私達の町を造りましょう。

「横浜市立折本小学校創立35周年記念誌 わたしたちのまち」より

~「第20話 変わっていく折本・大熊・川向」を読んで~

 約30年前に書かれたこの話は現在までの移り変わりを的確に予想し、私たちの町にとって何が大切で、私たち一人一人が何をしなければならないかがしっかりまとめられています。

 

 私たちの町がこれから大きく発展していっても、「豊かな緑」「きれいな空気」「汚れていない水」「静かな環境」そして「安全」が大事であることは、全く変わらないでしょう。

 

 第20話の中では港北ニュータウンが発展・拡大していくことを見越して道路交通面の安全が強調されていましたが、今のところ大きな問題がないのは、地元の警察を含む多くの関係者のご努力によるものだと感謝しなければなりません。

新栄高校南側信号付近から港北ニュータウン方面を望む:H28.6撮影

 しかし、全てがうまくいっているかと言うと、必ずしもそうではなく、中でも「ゴミ問題」は更に積極的な対応が必要な事項かもしれません。

 

 ちなみに、自分の近所を見渡しただけでも、大量のゴミがあふれ、時にはカラスに食べ散らかされているゴミ集積所があります。また、大きなバス道路だけでなく、身近な生活道路や小さな農道にも大小ゴミのポイ捨てが後を絶たない現実があります。

 

 町中に散在するゴミは、町全体の景観やイメージを損ね、ひいては町に対する愛着心が薄れていくといった悪影響もあるので要注意です。

 

 このため、折本町内会が中心となり年に2回「町内さわやか運動」と称して、みんなで町内道路の一斉清掃をやっているところですが、ゴミ問題はそう簡単に片付きそうにはありません。

 

 ゴミ問題に対しては、国や役所のしっかりした対応だけでなく、「ゴミのポイ捨ては決してやらない」「目についたゴミは積極的に拾う」といった個人レベルの心掛けや対応も今後益々必要となってくるように思います。

 このような一人一人の努力を積み重ねることで、これからも「活気」と「安らぎ」の両方があり、住んでいてよかったと誰もが思えるような折本町になっていくといいですね。

【おわり】 

編集後記:

 一昨年(H26年)の10月から連載してきた『わたしたちのまち/リニューアル版』は、この第20話をもって終了です。長期間にわたり本シリーズを読んでいただき有難うございました。

 

 私たちホームページ編集グループは、折本町の歴史をたどりながら現在の在りようを見つめ直し、それらを文字通り《記憶遺産》として私たちの次の世代に語り継ぐためにこのシリーズで紹介してきたところですが、第1話から20話の内容で読者の皆さまの思いに繋がる部分があれば大変嬉しく思います。

 

 ところで、本シリーズは幸いにも多くの方々に好評を博してきたので、折本町内会として小冊子にまとめ直して出版することになりました。

 

 出版計画が具体化され次第お知らせしますので、どうぞ皆さんご期待ください!

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