横浜市立折本小学校創立35周年記念誌「わたしたちのまち」

第7話 折本の竹と野毛山動物園のパンダ

レッサーパンダ(35周年記念誌より)
レッサーパンダ(35周年記念誌より)

 今、野毛山動物園にはオスとメスの二頭のパンダがいます。オスの名前はコロちゃん、1979(昭和54)年に中国からやって来ました。メスはまだ名前がありません。1983(昭和58)年に神戸の動物園からコロちゃんのお嫁さんになるためにやって来ました。パンダといっても、白黒のジャイアントパンダではありません。レッサーパンダといって、体長50~60センチメートルの、しっぽの長い、茶色い毛でおおわれた、かわいい動物です。レッサーパンダはとてもめずらしい動物で、日本国内の動物園には24頭しかいません。

 

 レッサーパンダのふるさとは、中国北西部、四川省の竹林です。高い山(標高2000m)で生活しているので、体の毛が長く、足の裏まで毛がはえています。また、木登りが上手で、昼間は木の上でまるくなり、長いしっぽで頭を包んで寝ています。夜になると地面に降りてきて、竹や竹の子、草、くだもの、鳥の卵、ネズミなどを食べます。

 

 さて、動物園のレッサーパンダは、何を食べているのでしょうか。飼育係の沖さんに聞いてみました。

しまうまトラックに竹を積んだところ(35周年記念誌より)
しまうまトラックに竹を積んだところ(35周年記念誌より)

 レッサーパンダの餌の代表は竹です。竹を一日中好きな時に、好きなだけ食べられるよう、たっぷり与えています。レッサーパンダは気に入った葉しか食べないので、捨てる所が多いそうです。その他にバナナ、りんご、トマト、にんじん、ふかしイモや季節の果物(もも、ぶどう、みかん、メロン)を1cmの角切りにしたものに生卵、ミルクを混ぜ、カルシウムと粉を加えた栄養たっぷりの餌を夜一回だけ食べているそうです。

 

 竹の他に、いろいろな果物や野菜、卵、ミルクを食べているなんて、ずいぶん贅沢ですね。でも、果物や野菜はお店で買えますが、竹はどうやって手に入れるのでしょうか。

 

 動物園では、横浜市内の竹やぶを探して、パンダの餌にする竹を分けてもらうことにしました。初めは緑区元石川町にあった竹やぶでしたが、新しい家を建てるために竹を切り倒してしまいました。そこで、違う場所に竹やぶを探したところ、折本町に大きな竹やぶがあることがわかりました。さっそく、竹をわけてもらうよう、お願いしました。そして、月2回、しまうまトラックで竹をとりに行くことになりました。


竹をとる加藤さん(35周年記念誌より)
竹をとる加藤さん(35周年記念誌より)

 竹やぶの持ち主の加藤さんは、動物園からトラックが来る日は、朝早く竹やぶに行って、パンダが食べやすいように、なるべく新しい竹をとります。1回に4~6本の竹を切り倒し、葉だけを取って、縄で縛っておきます。葉の量は、だいたい40キログラムで、これが2週間分の餌になります。

 

 竹やぶは、学校の北西の方向にあります。みなさんも新しい道路の向こう側に、竹がたくさん生えている山があるのを知っているでしょう。あの山の竹が、パンダの餌になっているのです。

 

 昔、折本には竹やぶがありませんでした。明治の終わり頃、竹の子栽培のために、港北区勝田町から竹を取り寄せて植えたのが始まりです。今では、広さが四反(畳2400枚分)にまでなりました。春になると、やわらかくて、おいしい竹の子が約1500㎏も取れるそうです。

 けれども、この竹やぶの一部が港北ニュータウンになることに決まりました。横浜市の人口が増え、土地の開発も進んでいますが、大切な緑をいつまでも残しておきたいものです。そして、野毛山動物園のパンダに、ずっと餌をあげられるといいですね。

「横浜市立折本小学校創立35周年記念誌 わたしたちのまち」より

~「第7話 折本の竹と野毛山動物園のパンダ」を読んで~

野毛山動物園のレッサーパンダ(2015.5 撮影)
野毛山動物園のレッサーパンダ(2015.5 撮影)


レッサーパンダは子供たちに人気の動物です。現在横浜市では、「野毛山動物園」と「ズーラシア」にいるそうです。

 

 話にでてくるコロちゃんがその後どうなったかが気になったHP管理グループの担当記者は、さっそく野毛山動物園に取材に行ってきました。

 

 ひょっとしてコロちゃんの子孫がいるのではないかと淡い期待を抱いていたのですが、野毛山とズーラシアで飼われているレッサーパンダは、コロちゃんとは血縁関係はないそうです。残念!

 

 時々テレビで、「XXの動物園で○○の赤ちゃん誕生!」というようなニュースを聞きますが、元は野生の動物たちが子孫を残していくというのは、本当は非常に大変なことなのでしょうね。

 また、現在の竹の仕入れ先についても聞いてみましたが、詳しくは機密事項だそうで、「横浜市内のどこか」としか教えてもらえませんでした。

 さて、第7話の写真で登場している「竹をとる加藤さん」は、6組の加藤恒雄さんのお父さん(故人)だそうです。第4話で皆さんにもご紹介した観音山周辺の竹やぶから加藤さんが切り出した竹が、月2回野毛山動物園に運ばれていたのですね。納得!

折本歩道橋から見た現在の観音山(山の半分くらいは竹で覆われている)
折本歩道橋から見た現在の観音山(山の半分くらいは竹で覆われている)

 ところで、第7話によれば、明治時代の終わり頃まで折本には竹やぶがなかったようですが、今では町内にはかなりの竹やぶがありますね。

 

 私たちがいつも見ている竹は『マダケ属のもうそうちく(孟宗竹)』らしいです。これら竹類の成長力は強く、ピーク時は1日に1メートル以上伸びることもあるようです。

また、地下茎が横に這って、随所から地上に筍(たけのこ)として茎を出し増殖していくことから、放置された竹やぶは密になって荒れるとともに、周囲の里山や田畑にひろがり、全国で環境上の問題となっているようです。

 

 しかし、何といっても私たちに馴染み深くて楽しみなのは、春の筍ですよね。この季節の筍は、肉厚で柔らかく、えぐみもなく、煮てよし、炒めてよしでとても美味ですね!

 

 以前テレビで、近隣の地域の若者や子供たちが竹やぶに入って、筍掘りや竹の伐採や竹細工を楽しみながら、「竹やぶ」を景観のよい「竹林」に変えていくような企画イベントを見たことがあります。…折本町でもこのようなイベントができるといいですね!


 また、聞いたところでは都筑区に「竹やぶ愛護会」なるものがあり、竹をチップにして家畜の餌にしたりしているそうです。

 

 このような様々な活動を通して竹への関心が高まっていくことを期待しましょう!

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